Scent Line Blog:ドイツ
「旅のチカラ 犬とわたしの幸せを探して~女優 浅田美代子・ドイツ ベルリン~」
ドイツ、ベルリンのティアハイムと言えば・・・
昨年の夏、私が単独で訪れたのと全く同じ場所。
ヨーロッパ最大級のティアハイム(動物の家)。
私の場合は、ツアーでもない、完全な個人旅行でしたので、
ベルリンの中心から、トコトコ、トコトコと延々トラムに揺られ・・・
トラムを終点で降りたら、町外れの寂しい場所。
その後は、どっちに行けばいいのかさっぱり分からず。
地元人ぽい人に大体の方角を教えてもらって、かなり歩いて、
やっとバス停に辿り着くと、バス停もいくつかあり
どれがどれやら?と1個づつ調べて、やっと見つけたものの、
予定時間になっても来る気配がない。
周囲の人たちと同じく苛つきながらバスを待つこと約30分。
目的のバス停で降りたら、ティアハイムの矢印があり、
また徒歩でトコトコトコトコ。
前を行く2人連れの後を追いかけつつ、人気のない道を歩いて、
横目に牛などを見つつ、
や〜っとティアハイムの入り口に辿り着いたのでした。
ティアハイムの敷地は、とても広大で、郊外にポツンとある感じでした。
車で訪れる人がほとんどのようです。
近代的な建物、広い敷地、制服のスタッフと、
その前に訪れたドレスデンの小さなティアハイムとは何もかも大違いでした。
で、インフォメーションにいたスタッフの男性に見学したい旨を伝え、
施設の写真を撮っても良いですか?と聞きました。
猫を去勢すると、その痛みの原因になるのですか?
写真OKしてくれて、案内図をくれたので、
それを片手に、猫エリアから見て回りました。
写真を撮る際には、絶対にフラッシュは光らせませんし、物音や声も出しません。
動物を驚かせたり過度に刺激を与えないように細心の注意を払ってます。
平日だったからなのか、グリーンの制服を着たティアハイムの
スタッフはちらほら見かけるものの、見学者はほとんどいないし、
貸し切り状態のような施設内。
猫エリアもお見合い中の女性は1人きりでした。
胸に子猫を抱いて愛おしそうに撫でていました。
次に目的の犬エリア。
人の出入りがないので、一歩入るや否や、全ての犬の注目を浴びる
と同時に、一斉に吠えられる・・・。
入ったらまずかった?とか感じつつも、ゆっくり歩きつつ見ていると、
他の見学者の男性なんかもふらっと入ってきて、私と同じような感じで
一通り見て出て行く感じ。
そんな中、丁度、子犬とお見合い中のカップル(ご夫婦?)。
写真撮らせてもらいがてら、「このコを迎えるんですか?」みたいなことを
聞いたら、「考え中」という感じでした。
が、その後、カップルの男性がこのコと一緒に施設内をお散歩していたので、
良い感じだったのかな?と思いました。
女性は、私に英語で何かしゃべってくれたけど、その英語が分からず残念。
疝痛の手術を受けた有名な馬場馬術の馬
施設内には、ピットブル系が多かったのが不思議だったのですが、
後日、その理由を教えてもらえたので、なるほどと思いました。
犬種によっては、飼うのに資格というか、
勉強しなければならない犬種がある為だそうで、
それにパスした人でないとならないという法律があり、
パスせずに飼っていると、犬を取り上げられてしまうそうです。
もちろん、パスすれば元の飼い主に戻されるそうですが、
取り戻そうと努力しない人もいるというのが、実情の様子。
だから、ピットブル系の収容率がかなり高かったんだなあと納得。
広いエリアに、ポツーンとエリザベスカラーのフレンチブルがいました。
じ〜っと伏せてました。か、かわいい!と見とれてたら、
後からやってきた男の人もおんなじリアクションをしており、お互い、
「かわいいねえ〜。」という意味で、顔を見合わせて「にやり」。
でも、近寄ってみてハッとしました。
片耳の中がひどい炎症を起こしているのか、耳の穴が塞がっていました。
それが分かった瞬間、痛かったり、かゆかったりするのを
じっと我慢してるのかもと思い、微笑ましい気持ちが一転しました。
ティアハイムに保護される前は、ケアしてもらえなかったのでしょうか・・・。
他にも猿エリア、鳥エリア、うさぎエリアを見ました。
とても充実した施設ではあるけれども、人と一緒に過ごしていない犬達は
なんとなく寂しそうで、不安そうな印象でした。
実際に訪れる前は、ティアハイムの犬達は、個室があり、ベッドがあり、
食事が与えられ、好きな時に屋外にも出られるし、散歩もしてもらえるし、
獣医さんも常駐と、かなり良い待遇だから、犬達も飼い主不在ながらも、
割と満たされたように見えるかな?と、どこか思っていた節がありました。
が、ここを旅の最大の目的の一つにして、
ドイツまでやってきたのだから、半日くらいかけて、
じっくりゆっくりと見学しようと思っていたものの、
早めに切り上げたくなった(実際の滞在は、約2時間半くらいだったかも)
自分の感情が一番、予想外でした。
これがもし日本の施設であったなら、そうは思わなかったかもしれませんが、
ベルリンに辿り着くまでの、旅の中で、
ドイツのあちこちの都市の犬達に会い、人と共に行動し、
空気のように街にとけ込み、落ち着いたふるまいや、自由に遊ぶ姿を見ていたので、
家族さえいれば、犬が社会に受け入れられている外の世界が、
すぐそこに、広がっているのに・・・と、やるせなく感じました。
最後に、最初のインフォメーションの隣にあるカフェに寄りました。
ティアハイムのカフェで、食事をとれば、それも寄付になるかと思い、
軽食を食べて帰ることにしたのですが、レジでポテトとコーラをオーダーした時、
レジのおねえちゃんが、「了解!」という感じで、
バチッとウィンクしてくれたのですが、
また、運ばれてきたポテト料理が、イメージしてたのと、全く違ってたり・・・。
同じカフェ内で、大人しく飼い主の側に佇む、でっかいジャーマンシェーパードを
横目でチラチラ見ながら、「賢いなあ」と思いつつ、食べ終わり、
ティアハイムを後にしたのでした。
この訪問を通じて、施設がどれほど充実していても、
家族を持たず、家庭で暮らさない犬は、どこか寂しそうであること。
「犬」は「家族」に従い、一緒に暮らし、共に行動することが、
犬の幸せということを、改めて気付かされた気がします。
日本にも、最近になって立派な施設が出来ました。
横浜市動物愛護センター。
このような立派で大きな施設を建設は、
費用面でも土地の面でも厳しいのが日本の現状なので、
今後、同じような施設が日本各地に出来る気配は、全くなさそうですが、
施設がなくても、出来る活動スタイルとして、「一般家庭で預かる」という
一時預かりボランティアのスタイルが、割と普及している気がします。
このスタイルだと、ティアハイムのような施設がなくても、
インターネットを上手く利用しつつ、個人個人が出来る範囲で、
できることをするスタイルで保護活動ができます。
人の側で暮らすので、犬が安心できるという面では、
施設での保護に勝る点かもしれないと思います。
(一般家庭で預かるスタイルも、難しいことは沢山あると感じますが。)
以上が、私が昨年夏に、ベルリンのティアハイムを訪問して思ったことでした。
今度、ドレスデンの小さなティアハイム訪問の時のことを書こうと思います。
明日の放送はどんな放送なのか、今から楽しみです。
一般ピープル&アポ無し訪問の私の時と違って、
TV取材ですから、特別な機会や体験が紹介されていると思いますので、
楽しみに見たいと思います。
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